目を開ければ広がる真っ赤な血の海を、ガラクタのように積み重なった人々を、その頂上で錆び付いて赤黒く変色したナイフを本人も知らずのうちにチラつかせながら
偽善は作り出したガラクタを踏みにじって怒り狂うのだ
必死の思いでガラクタを這い上がった人を
「お前は悪だ」
たったその一言で突き刺して踏みしめる
気づいているのだろうか
そう言うお前の手が、足が、最も悪に穢れていることに
這い上がる人を見て、その口角が三日月形に歪められることに
足元のガラクタがまだ微かに息をしていることに
そんなお前を見て、私はガラクタを踏み上ることもなく言うのだ
「大丈夫、お前は間違ってないよ」
私も、偽善に染まる